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5. 新しいパウダーコーティングの用途

一般的にパウダーコーティングは、鋼製家具、オフィス器機、土木関連、家電などの汎用金属工業塗装に使用されている。パウダーコーティングは溶剤型塗料に比べ防錆能力、塗膜強度では勝っているが、耐候性や外観の仕上がり感が劣るとされていたが、近年では環境意識の向上とパウダーコーティングの飛躍的な技術革新により、特殊な用途の塗装にもパウダーコーティングが採用されるケースが増えている。下記に代表的な特殊用途を紹介する。

5.1. 外装建材

 外壁建材の塗装は圧倒的に溶剤型のフッ素樹脂塗料及びアクリル樹脂塗料が使われている。これらの塗料は耐食性を確保する為に、プライマーなどの塗装が必要であり、多ければ3〜4回の塗装が必要となる。パウダーコーティングの耐食性は一回の塗装でも極めて良好であるため外壁建材への応用は極めて有効と思われる。しかしながら、従来の外装用パウダーコーティングの耐候性は芳しいものではなかった為、現在までメジャーな建造物に使用されることは無かった。

 外装建材用のパウダーコーティングは1990年代前半にアメリカ、ヨーロッパで開発及び実用化が始まった。この頃の建材用塗料はTGIC硬化剤を使用したポリエステル樹脂で溶剤アクリル塗料の耐候性を上回り、PVDF(フッ化ビニリデン)に匹敵するものである。欧米、日本を除くアジア圏ではパウダーコーティングによる著名な建築物が増えているが、残念ながら日本での実績は皆無である。又、現在では溶剤型フッ素樹脂塗料の耐候性に匹敵するフッ素樹脂粉体塗料を欧米の塗料メーカー数社が販売しているが施行実績は少ない。

5.2. 防錆プライマー

 近年の環境問題、健康問題に関する意識の高まりにより、従来まで使用できたものが使えなくなるケースが増えてきている。塗装業界では鉛に代表される重金属に始まり、近年では塗装では不可欠であった揮発性有機物質の規制も始まろうとしている。

 このような流れの中、重防食の代名詞であった溶融亜鉛メッキ処理も厳しい状況になってきている。又、溶融亜鉛メッキは特にパウダーコーティングの下地に使用した場合に発泡などの塗装不良を引き起こす原因となる為、塗装を行う立場からは有難くない品物である。

 一方で、製品の寿命を保証するためには確実な防食処理を施す必要がある。この様な状況で開発されたのがパウダーのプライマーである。現在市場にでているパウダープライマーには2種類のタイプがある。いずれもエポキシ樹脂系のプライマーであるが、一つは亜鉛粉末を含んだジンクプライマーで、もう一つは遮蔽保護防食プライマーである。

 ジンクプライマーは、含有している亜鉛分による犠牲防食機能を持ったもので、溶剤型のジンクプライマーと同じ防錆メカニズムを持つものである。一方、遮蔽保護型のプライマーは、塗料の溶融粘度を限界まで下げる事により理論上のピンホールを無くするというものである。いずれのプライマーの場合も十分な防錆能力を有し、溶融亜鉛メッキで問題となった、発泡や密着不良は認められない。

5.3. 薄膜パウダーコーティング

 「パウダーコーティング=厚膜塗装」はパウダーコーティングの大きな特徴、利点ではあるが、用途によっては薄膜が要求される場合もある。製品の機能面から薄膜を要求される場合と、一般的に塗料の粒径が細かければ平滑性が向上する事から、美観面で薄膜が要求される場合がある。パウダーコーティングの薄膜化は1990年代中頃から開発が開始され、現在では40ミクロンの薄膜パウダーコーティングが市販されている。薄膜用塗料は単価的には通常の塗料に比べ割高であるが、使用量を3割以上削減する事が可能となるためトータル的なコストダウンが可能となった。

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