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4. パウダーコーティングの塗布方法

 静電スプレー式のパウダーコーティングでは塗装ガンで塗料を帯電させ、アースの取れた被塗物に塗装するシステムであるが、この帯電方式にはコロナ帯電とトリボ帯電の二つの異なった帯電方式がある。

4.1. コロナ帯電

 コロナ帯電方式では、塗装ガンの高電圧発生装置から先端のコロナピンに負の高電圧が印加される。コロナピンよりコロナ放電が起こり、コロナ放電により発生したイオンが塗料の粒子に付着して被塗物に付着するメカニズムである。コロナ帯電方式は世界中で最も使用されているパウダーコーティングの塗装方法であり、あらゆるタイプの塗料に使用することが可能で、トリボ帯電方式では悪影響の出る塗装現場周辺の湿度に比較的強いという特徴を持つ。


図2 ファラデーケージ効果

 しかし一方でファラデーケージ効果やバックアイオニゼーション(逆電離現象)といったコロナ帯電特有の問題が発生する。

4.1.1. ファラデーケージ効果

 コロナ帯電方式の場合、電気力線が被塗物の裏側まで達するラップ効果(回り込み効果)には優れるが、複雑な形状の凹部分の内側には電気力線が存在しない。これは、電気力線が一番近いエッジ部(凸部)に集中する為である。


図2 ファラデーケージ効果

 ファラデーケージ効果はコロナ帯電方式では避けられない現象ではあるが、塗料が十分に帯電している事、塗料の搬送エアー圧が適正である事、そして十分なアースが確保されている事でその悪影響を最小限にする事が出来る。又、最近ではファラデーケージ効果を最小限に抑える為の設定が自動モードで用意されている塗装ガンも販売されている。

4.1.2 バックアイオニゼーション(逆電離現象)

 コロナピン先端からのコロナ放電により多数のイオンが発生するが、塗料粒子に付着するイオンはほんの一部だけである。発生したイオンのほとんどはフリーイオンとして被塗物表面に堆積する。被塗物表面の堆積層が大きくなると、負の電荷が蓄積され表面電位が増大する。この結果、堆積層で局部放電が発生し、正のイオンが堆積層から電極側へ移動し、塗着効率の低下やピンホール、ゆず肌、クレーターの発生を引き起こす。

 

図2 バックアイオニゼーション(逆電離現象)

 バックアイオニゼーションは塗料粒子に付着しないフリーイオンが大量に発生する事により起きる現象である。フリーイオンを除去する為にイオンストラップ装置が使用されていたが、最新の塗装ガンでは電流値制御によりフリーイオンの発生を最小限に抑えているようである。

4.2. トリボ帯電

 トリボ帯電は別名摩擦帯電とも呼ばれ、その名の通り塗装ガンの内面に塗料を摩擦させる事で帯電するメカニズムである。従って、トリボ帯電方式の塗装ガンには高電圧発生装置が無く、電気関連の設定も必要としない。

 トリボ帯電方式の塗装ガンではファラデーケージ効果やバックアイオニゼーション(逆電離現象)が発生せず、仕上がりの平滑性も良好であるが、一部の塗料(メタリック塗料など)は使用できない場合があり、トリボガン用に処方されていない塗料では帯電効率が著しく低下し、場合によっては被塗物に付着しないケースもあり得る。

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