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1. パウダーコーティングの利点

 「パウダーコーティング=環境対応型塗装」との概念があまりにも強い為、他の利点に関しては触れられる事が少ない。又、一昔前まで事実であった、色数が少ない、少ロット対応が出来ない、仕上がり感が悪い(ゆず肌)等の理由から、「パウダーコーティングは環境には優しいが、他のメリットは無い」という誤解がいまだに払拭されていない。下記にパウダーコーティングの利点を再検証する。

1.1. 環境面での利点

 パウダーコーティングがVOC(揮発性有機物質)を含まない、若しくは架橋反応により若干のVOC排出があったとしてもごく少量である事は広く認識されている。その他に、パウダーコーティングでは、初期塗着効率が液体状の塗料に比べ格段に高い事、オーバースプレー分の塗料をサイクロン等の装置を使用して回収・再利用可能な事から、廃棄塗料の量が低減される事も環境負荷を減らす大きな要因となっている。又、現在では廃粉体塗料を再利用する研究も行われており、近い将来、更に環境に優しい塗装方法として広く認識されると思われる。

1.2. 品質の安定性

 液体状の塗料では、塗装現場での塗料の予備攪拌、攪拌、粘度調整等、塗装の仕上がりに影響する付加作業が必須となる。この様な塗装現場での付加作業により塗装の仕上がりが変わってしまう事も多いが、パウダーコーティングの場合は、塗料をそのまま塗料タンクに入れて塗装を開始する事が出来るので、仕上がり品質が格段に安定する。又、防食仕様などで最低膜厚が指定されている場合でも、パウダーコーティングは垂れなどの問題を生じることなく一回で指定の厚膜を付ける事が可能である。

1.3. 多様な意匠性

 パウダーコーティングは液体状の塗料による塗装に比べ平滑性、ハイグロスでは劣る部分があるのは事実であるが、パウダーコーティングならではの独自な意匠性に富んでいる。例えば、溶剤型塗装では職人技とされるハンマートーンや石目模様、テクスチャーなどはパウダーコーティングでは安定した模様を一回の塗布で簡単に再現する事が可能であり、その模様を維持する事も容易である。又、数年前までは技術的な問題によりタブーとされていたメタリック色も、ボンディングメタリックと呼ばれる塗料の製造技術の開発により安定した仕上がりが得られるようになった。

1.4. 安全性

 溶剤型の塗料は危険物倉庫での保管が義務付けられており、引火性・発火性を有するが、パウダーコーティングは保管時に発火や引火の危険性が無く最も安全な塗料と言える。

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