Powder Coating

粉体塗装とは

粉体塗装は、液体ではなく粉状の塗料を静電気の力で付着させオーブンで焼付けて硬化させる塗装方法です。

有機溶剤を使わない、環境にもキレイな塗装として、欧米諸国をはじめ世界中で採用されています。また、医療機器や福祉用具に対しても塗装品質とともにVOC(揮発性有機化合物)を全く含まないため体に優しい表面処理方法として採用されています。

塗料の樹脂は主に3種類あり、適材適所に使い分けることができます。

ポリエステル系樹脂/高耐候性ポリエステル系樹脂
屋内~外用
エポキシポリエステル系樹脂
屋内用
アクリル系樹脂(クリアー)
屋内~外用

※粉体塗装は様々な金属製品に対応できます。

使用例
ファサード・壁層材等の金属製建材/信号機・発券機等の金属製産業機器/モニュメント・アートオブジェ等の金属製作品/ストリートファニチュア・ストリートファニチュア・自動車ホイール・自転車フレーム等のプロダクト/家具・卓上の小物 他

環境にやさしい

シンナーなどのVOC(揮発性有機化合物)を全く含見ません

匂いもなく、体に触れても害はないので工場内はとてもクリーンに作業ができます。また塗装後に有機溶剤分が揮発することは一切ないため、人に、そして環境にとても優しい塗装方法です。

表情豊かな意匠性

マットからグロス、梨地から凹凸、粉体塗装ならではの豊富な質感があります。

Powder Coating

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塗装プロセス

静電気で塗料が付着させ、乾燥炉で焼き付ける塗装方法です。

粉体塗料は顔料、樹脂、硬化剤、添加剤を含む有機ポリマーを細かく粉砕した粉状の塗料で有機溶剤を全く含まない塗料です。

粉体塗料

粉体塗料は塗膜になる樹脂そのものなので有機溶剤はいっさい含んでいません。

溶剤塗料

溶剤塗料はスプレーのため樹脂等を有機溶剤(シンナー)に溶かし液体化させた物です。

粉体塗料の製造工程
粉体塗料の種類
塗料の種類 用途 採用例
エポキシ樹脂 高重防食下塗り塗料
絶縁塗料
下塗り塗料
水道管の内面コーティング
消化器内面等
ポリエステル系樹脂(高耐候ポリエステル系脂)
・イソシアネート硬化系
・プリミド硬化系
・TGIC硬化系
屋外用
※建築用途若しくは耐候性が要求される分野は高耐候ポリエステルを使用
屋外使用産業機器
交通関連機器
アルミ建材
エポキシポリエステル樹脂 屋内用途 鋼製家具他、屋内使用産業機器等
アクリル樹脂 屋外用途 自動車ホイール向けクリア等
塗膜性能

粉体塗装は塗装後に加熱(焼付け)すると、融解し化学反応により高分子ポリマーがネットワーク状の組織を形成するために、強固に密着し、サビにくく、キズに強く、かつ弾力性のある塗膜が得られます。

粉体

溶剤

粉体と溶剤の一般的な塗膜性能比較
粉体塗料 溶剤塗料 備考
樹脂系 高耐候
ポリエステル
ポリエステル系 エポキシ
ポリエステル
アクリル系 エポキシ系 メラミン
樹脂
焼付
アクリル樹脂
ウレタン
樹脂
フッ素系
樹脂
フタル酸
エナメル
焼付条件 熱硬化型 熱硬化型 熱硬化型 熱硬化型 熱硬化型 熱硬化型 熱硬化型 常乾及び
強制乾燥
常乾及び
熱硬化型
常乾 塗膜硬化
乾燥タイプ
180℃×20分 180℃×20分 160℃×20分 180℃×20分 160℃×20分 130℃×20分 150℃×20分 常乾 常乾 常乾 素材温度及び
保持時間
膜厚 60μ 60μ 60μ 60μ 60μ 25μ 25μ 30μ 25μ 30μ μm/膜厚
平滑性 目視
鮮映性 目視
光沢 85以上 85以上 90以上 90以上 85以上 85以上 90以上 90以上 80以上※ 80以上 60°鏡面反射率
硬度 H〜2H H〜2H HB〜2H H〜2H H〜2H HB〜H 2H 2H H F 三菱ユニ、キズ法
エリクセン性 <6㎜ <7㎜ <7㎜ <7㎜ <7㎜ 5㎜ 4㎜ 5㎜ 5㎜ 不明(弱) エリクセン
試験機
耐衝撃性 <50㎝ <50㎝ <50㎝ <40㎝ <50㎝ 50㎝ 40㎝ 50㎝ 50㎝ 不明(弱) 1/2φ×500g
密着性 100/100 100/100 100/100 100/100 100/100 100/100 100/100 100/100 100/100 100/100 碁盤目テープ法
耐塩水噴霧性 0〜3㎜ 0〜3㎜ 0〜2㎜ 1〜4㎜ 0〜1㎜ 3〜8㎜ 2〜5㎜ 1〜3㎜ 0〜3㎜ 不明 35℃ 5%
NaCl 500時間
促進耐候性 × ○〜◎ 特◎ △〜○ サンシャインウェザー
300時間
耐酸性 × × 5% H2 SO4 240時間
耐アルカリ性 × × 5% Na0H 240時間
耐湿性 × 50℃ 98%RH 500時間
耐汚染性
(口紅、マジック)
△〜◎ △〜◎ ○〜◎ ○〜◎ △〜○ ×〜△ △〜○ × 20℃ 24時間後
IPA拭き
特徴 一般
屋外使用
一般
屋外使用
一般
屋内使用
自動車用途 対薬品性
良好
一般
屋内使用
一般
屋外使用
一般
屋外使用
一般
屋外使用
一般
屋外使用
ビル建材
外装
塗装性
難有り
下塗り
使用多
鉄部使用
使用用途 産機、建材 家電、建材 家電、
鋼製家具
アルミ
ホイール等
鋼製管
内面
家電、
工業用
建材、
自動車
車両、
家電
産機、
建材他
重防食
分野
CW外装 鋼製家具 内部SD扉 防食塗料 信号機 内、外部SD CW、
外部SD
内部SD扉
環境配慮度
(VOC排出度)
×〜△ ×〜△ ×〜△ ×〜△ ×
塗装コスト 180 130 130 150 110 100 120 140 200 ×
長所 1.機械的物性及び防錆力が優秀 1.小口調色対応力が高い(4kgから対応)
2.粉の回収利用が可能 2.納期対応が早い(1週間程度)
3.VOC(揮発性有機化合物)の発生が無い 3.汎用設備で対応が可能で、専用設備を必要としない
短所 1.膜厚が厚く、粉体特有の塗肌になる 1.VOCの含有が不可欠である
2.小口調色対応力が低い(一般的には100〜300kg単位で対応) 2.端部のエッジカバー性が低い
3.製造納期が遅い(30〜40日) 3.環境配慮度が低い
外装(ビル)建材分野で要求される粉体塗料の規格分類

AAMA及びQualicoatとは

AAMA

■米国建築製造共同組合(American Architectural Manufacturing Association)が定めているもので建材用アルミ、アルミパネルの高性能有機塗装に関する自主的規格。
■建築業界、ビル施工業者では、グローバルスタンダード。


Qualicoat

■1986年に欧州で発足したアルミ建材塗装品の品質保証の為の認定制度で、AAMAとの違いは認証ライセンス評価が第三者機関が評価する。

グレード
(分類)
該当規格 耐候性
(フロリダ暴露)
塩水噴霧
性能
適合部位 色、艶制約 塗膜保証 製造条件 コスト
LOW AAMA2603-98 1年暴露 50%以上 1500h 主に内部
(外部にも
実績有り)
無し 無し 60kg以上※1 100※4
HIGH AAMA2604-05 5年暴露 30%以上 3000h 外部 無し 15年※3 60kg以上※2 155※4
MAXIMUM AAMA2605-05 10年暴露 50%以上 4000h 外部 基本的に無し 15年 300〜400kg
以上
500※4
第一分類 Qualicoat Class 1 1年暴露 50%以上 1500h 主に内部
(外部にも
実績有り)
無し 無し 60kg以上※1 100※4
第二分類 Qualicoat Class 2 3年暴露 50%以上 3000h 外部 無し 15年※3 60kg以上※2 155※4
第三分類 Qualicoat Class 3 10年暴露 50%以上 4000h 外部 基本的に無し 15年 300〜400kg
以上
500※4

※1...最小ロットはご相談 ※2...メタリック系は300kg以上 ※3...メーカー塗料タイプによる ※4...塗料メーカーに違い有り


カドワキ取扱メーカー:タイガードライラック社/JOTUN社/AkzoNobel社
粉体塗装の概要
粉体塗装プロセス(コロナ帯電方式)

塗布工程

塗布された粉体粒子は静電気により帯電され、アースされた被塗物に付着します。

粉体供給装置/高電圧発生装置
粉体供給装置/高電圧発生装置

焼付工程

連続的に結合された被膜層を形成しながら硬化します。150~200 ℃の高温で焼き付け、硬化させます。

粉体塗装 溶剤塗装
塗布後
焼付け
塗膜形成
粉体塗装の種類
粉体塗装の種類 チャージ方式 加電方式 長所 短所
コロナ帯電式 外部帯電 汎用性大、
色替え性良
内部への
入り込み性少
摩擦帯電式 内部帯電 薄膜化、内部への
入り性大
色替え難、
汎用性少
粉体塗装で塗れる対象物

粉体塗装は金属(導電・耐熱性)に対しての焼き付け塗装です。

  • アルミ
  • ステンレス
  • マグネシウムなど

素材と要求仕様によって適切な前処理や、下塗りが必要です。

一般的な粉体塗装工程

1.前処理

2.水切り乾燥炉

3.粉体塗装

4.焼付乾燥炉

5.完了

主な前処理の種類法
Fe 鉄熱間材(黒皮材) ブラスト後、リン酸亜鉛・リン酸
冷間圧延材 リン酸亜鉛・リン酸鉄
Al 板材
  • 六価有色クロメート(クロム酸クロム処理)
  • 三価クロメート(リン酸クロム処理)
  • アルマイト(陽極酸化処理)
  • ノンクロム(ジルコンタイプ等)※1
ダイキャスト
鋳物
SUS 板材 酸洗処理、脱脂等
Mg チクソ材
  • クロメート
  • ノンクロム
ダイキャスト

※1 アルミ材に対する化成処理の問題点


●クロム酸クロム(6価クロム)

6価クロム化成皮膜処理は、アルミ建材や工業製品の焼付け塗装下地として利用されていて、品質確保が容易で管理がしやすく、コスト的にも有利な事から一般的に使用されている。


●RoHS指令(The Restriction of Hazardous Substances:有害物質使用制限指令)

ヨーロッパでは、2006年から、鉛・カドミウム・水銀・6価クロム・重金属類・危険物質等に 対して厳しい規制がかかることが決定して実行されている。


↓

●環境規制が厳しくなることへの対応
  • 毒性の少ないリン酸クロム(3価クロム)による化成皮膜処理への切り替え
  • ノンクロメート化成処理(クロムフリー)の採用
  • 耐久性に優れる厚膜の陽極酸化皮膜処理の採用

コスト的には明らかに増加するが、メーカー側の立場では、
今後、社会的要請に応えて低公害型に移行させる責務がある。